私の父親

私の父親は
なにを考えているかわからない

頭がおかしいとかではなく
心の内が見えないのだ

いつも平気そうで
なんとなくバカなふりを
しているように見える
核心にふれないよう
そっと生きているように
見える
当たり障りのないように
している気がする

まあ親だからわかりたいとか
こうなってほしいとかは
私の傲慢だ

今なにを思っているのか
何かを我慢していないか
辛くないのか
怒っていないかと
勝手に心配している

たまに父はイライラしてるが
それに私は過剰に
反応してしまう

いつか爆発しないか
急にボケないか

私は結局、心の内では
「私にいつかとばっちり
迷惑かけてこられたら
困るな」
と、思っているのだ。
我ながら心が痛い。
我ながら最低だ。

でも、父は父の生き方で
上手く人生を生きてきたのだ

私が勝手に心配しているだけだ

なんの問題もないのだ

私は心配しすぎた

私の傲慢さで
父のパンドラの箱
危うくこじ開けようと
するところだった

親だからなんでも話すとか
そんな勝手なことは
しちゃダメだと
私は思った

家族なんだから
醜い部分とか
恥ずかしいことも
曝け出せなんて
パワハラみたいだ

秘密も
言えないことも
あってもいいさ

私は父を信じよう

心配は私の中に置いておこう

父なりに生きてくれたら
それでいいのだ

そして親の介護に
心配、不安があるが
それも受け止めよう
迷惑かけられてナンボじゃ

どんと迷惑かけてくれ

実際そうなったら
想像もできないくらい
辛いし、悲しいだろう

覚悟しても
しきれないだろう

それも受け止めたい

私も迷惑をかけた

生きてるだけで迷惑だ

私の知らないところで
たくさん迷惑かけたのだ

父は父なりの

母は母なりの

私は私なりの

人生の歩き方がある

それを尊重したい